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美容室開業を失敗しないための事前準備をすべて解説します

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「美容室を開業したいけど、何を準備すればいいのかわからない。」
「美容室の開業を失敗しないためにはどうすればいい?」
「美容室開業までの流れを知りたい。」

など、美容師として長年働き、独立したいと思った時にこのような悩みや不安は多いと思います。

美容室を開業するには、事前準備が非常に重要です。美容室の店舗づくりにはまとまった資金が必要になるため、補助金や助成金についても知っておく必要があります。また、SNSやMEO対策などオンライン集客に力を入れ、経営力を磨くことで美容室の開業を成功へと導くことができるでしょう。

この記事では、美容室の開業に向けて知っておくべき事前準備と、開業の流れについて解説します。

この記事を読むことで、美容室開業の不安や悩みが解消され、開業に向けて前向きに進むことができるでしょう。

美容室の開業に必要な資金

美容室を開業するためには、まとまった資金が必要です。
2021年度新規開業実態調査」によると、開業費用の平均値は941万円となっていることから、1000万円ほどの資金は準備しておいた方が安心でしょう。

ここでは、美容室の開業に必要な資金について、詳しく解説します。

物件の取得費用

美容室を開業するには「店舗」が必須です。また、美容室を開業するには、たとえ小規模でも10~14坪(約20~28畳)程度の広さは必要でしょう。
最低限の面積のテナントを契約する想定で、家賃20万円の物件の取得費用を見ていきます。

物件費用費用の目安
保証金200万円家賃10か月分
礼金20~40万円家賃1~2か月分
前家賃20万円家賃1か月分
仲介手数料10万円~20万円家賃0.5~1か月分
合計250~280万円

上の表を見てわかる通り、美容室を開業するためには、合計250~280万円の物件取得費用がかかると想定されます。この他にも管理費、共益費が毎月かかってくるでしょう。

物件の取得費用は自己資金で

美容室を開業するには、自己資金がゼロでは不可能に近いです。

「融資を受ければ自己資金がなくても開業できる」と思われるかもしれませんが、多くの融資では不動産の賃貸借契約書を提出しなければなりません。

このことから、物件の取得費用は融資を受ける前にかかってくるため、自己資金で支払う必要があります。

また、物件取得後に融資を受ける場合には、自己資金が融資を決める重要なポイントにもなるため、開業前にコツコツ貯めて準備をしましょう。

内装・設備・備品等

内装・設備・備品については費用感が分かれる部分ではありますが、一般的な広さの美容院でかかる内装費は400万~800万程度と言われています。居抜き物件の場合は、この半分で抑えることができます。

美容室の内装工事は、特に給排水設備に費用がかかるため、導入するシャンプー台の数によって必要な資金が大きく変わってくるでしょう。

設備については、シャンプー台の他、椅子やパーマ器、鏡などが必要です。これらの費用は100~200万円程度が一般的でしょう。
ただし、性能のいいものを入れればもちろんその分費用が上がるため、どのようなサービスを提供したいか、というところでも費用は変わってきます。

その他にかかる備品や消耗品については、100万円程度準備しておくとよいでしょう。

美容室を開業するためには、レジや電話、パソコンなども準備しておかなければいけません。
また、消耗品としてシャンプーやトリートメント、カラー剤、パーマ液なども必要です。

その他、雑費用にもいくらか準備しておくと安心です。

当面の運転資金

美容室を運営するために、重要なのが「当面の運転資金」です。

美容室は、開業してから半年程度は赤字が続くと思っておきましょう。
その間の家賃や光熱費、スタッフの給与、広告費、生活費など、顧客が来店しなくても支払わなければいけない固定費があります。そのため、運転資金は十分に準備しておく必要があります。

少なくとも、月々かかる固定費の3~6か月分は確保しておきましょう。

美容室開業に使える物件の種類

前述した物件取得費用についてはテナント物件での費用をお伝えしましたが、美容室の開業はテナント物件の他に、4つの選択肢があります。

これらの選択肢も加味し、どの物件で開業するか慎重に検討しましょう。

自宅で開業する

最近は自宅で開業する美容師も増えています。

アットホームな空間で、一度に来店するのは一人、もしくは二人程度が多いでしょう。一人の美容師に1から10まで接客してもらうため、他人との接触に気を遣うご時世にも適していると言えます。

自宅開業のメリットは、物件取得費用が抑えられるという点です。
ただし、店舗部分と住居部分は明確に仕切らなければならないため、自宅を美容院にするためのリフォーム費用は必要になります。

テナントで開業する

テナント物件は、前述した通り物件取得費用にまとまった資金が必要ですが、アクセスしやすい路面に面していたり、駅近物件であれば集客対策になることがメリットです。
場所によっては開業してすぐに顧客を呼び込むこともできるでしょう。

デメリットは、物件取得胃費用が高いこと、そして原状回復義務があることが挙げられます。
退去の際には内装などは元の状態に戻しておかなければいけません。

居抜き物件で開業する

居抜き物件とは、テナントの内装や設備、家具などを残したまま、貸している物件のことです。

以前の店舗が同じ美容室であれば、内装工事費や設備費用が必要なくなるため、初期費用を大きく抑えることができます。
また、工事が必要なく、開業までの時間が短く済むことも大きなメリットです。

デメリットとしては”以前の店舗のイメージがついてしまうこと”が挙げられます。以前のオーナーが撤退した理由が”経営不振”だった場合、同じ業態だとそのイメージを払拭するのに時間がかかるかもしれません。
また、内装や設備が自分の美容室に合わない、と感じることもあるでしょう。実際見てみると結局工事が必要になった、というパターンもあるため、慎重に物件を選ぶ必要があります。

スケルトン物件で開業する

スケルトン物件は、店舗内の床・壁・天井・内装などが何もない「建物の躯体だけの物件」のことを指します。

美容室をスケルトン物件で開業すると、内装や設計など、店舗デザインを自由に決められます。美容室はコンセプトや雰囲気作りが大切です。あなたが狙うターゲットに合った店舗づくりができることは大きなメリットでしょう。

デメリットとしては、内装や工事に費用がかかる点が挙げられます。また、一からデザインを決めなければいけないため、打ち合わせに時間もかかるでしょう。

美容室の開業に使える補助金

これまでの内容で、美容室の開業には資金が必要だということが分かっていただけたかと思います。
自己資金だけですべてをまかなうにはなかなか厳しいのではないでしょうか。美容室を開業するためには、資金調達が要になります。

補助金は原則返済不要です。積極的に活用していきましょう。以下で、美容室の開業に使える補助金について解説します。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、販路開拓や生産性向上を目的とした施策を手助けするための補助金です。

美容院の場合は、以下のような施策が小規模事業者持続化補助金の対象になります。

  • チラシ配りやポスター作成、看板設置などの宣伝活動
  • 最新機器導入による新規顧客獲得と客単価アップ
  • 新規顧客獲得のための広告費用
  • 顧客のニーズに合わせた内装・外装のリフォーム

IT導入補助金

IT導入補助金は、何らかの課題があり、それを解決するために導入するITツールの費用を補助してくれる制度です。最大半分ほどの費用を補助してくれるため、ITツールを導入する予定の美容室にとっては有用な制度でしょう。

具体的には、ホームページの作成、POSレジの導入、オンライン予約システムなどが対象になります。

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、この名称から美容室は対象外ではないかと思われがちですが、美容室でも場合によっては活用できます。

例えばオリジナルのシャンプーを開発するなど、試作品開発に活用できます。
また、低感染リスク型ビジネス枠においては、広告宣伝費や販売促進費も対象になるため、開発した製品の宣伝や販路拡大にも有用でしょう。

ただし、補助上限額が750万円~3,000万円(補助率1/2もしくは2/3)と大きな金額になるため、採択率は低い傾向があります。

美容室の開業に使える融資

融資は補助金とはちがい、返済義務のある資金調達方法です。
融資は金融機関からも受けることができますが、ここでは日本政策金融公庫で受けられる2つの融資についてご紹介します。

日本政策金融公庫は金融機関と比べて金利が低く、創業初期でも申し込みやすいのが特徴です。また、手続きも金融機関に比べれば簡易なため、融資を受けるハードルが低く、開業したばかりの美容院にもおすすめです。

日本政策金融公庫:新創業融資制度

新創業融資制度は、新たに事業を始める、または事業を始めて間もない方(事業開始から2期未満)を対象にした、担保および保証人が不要となる制度です。

無担保、無保証人は新創業融資制度の最大のメリットですが、その分ほかの融資と比べて金利が高くなることがデメリットとして挙げられるでしょう。

また、無担保、無保証人で融資を受ける場合は、次に解説する「新規開業資金」と組み合わせる必要があります。そのため「新創業融資制度」「新規開業資金」両方の要件を満たさなければいけません。

融資限度額は3000万円、うち1500万円は運転資金への融資となっています。

日本政策金融公庫:新規開業資金

新規開業資金は、新たに事業を始める、もしくは事業開始後7年以内の方が対象となる融資制度です。
新創業融資制度との違いは、単体で利用できることと、担保と保証人が必要になる点です。

融資限度額は7200万円、うち4800万円は運転資金、残りの2400万円は設備資金としての融資となります。
返済期間は設備資金が20年以内、運転資金が7年以内に設定されています。なお設備資金、運転資金ともに元本の返済を2年まで延長する据置期間を設定できるのも特徴です。

保証人の要件を満たしていれば、新規開業資金は融資に通りやすいため、美容室の開業に使いやすい融資制度でしょう。

美容室の開業に必要な資格

一人で美容室を開業する場合は、美容師免許さえあれば営業できますが、自分とは別に一人でもスタイリストや美容師を雇うのであれば「管理美容師免許」が必要になります。
管理美容師免許は、美容室を衛生的に管理するための資格です。

ここでは、美容室開業に必要な二つの資格について簡単に解説します。

美容師免許

美容師免許は、美容室を開業するためには必須となる国家資格です。

美容師免許を取得するには、厚生労働大臣が指定する美容師養成施設(美容専門学校)に通い、所定の課程を修了すると受験資格が与えられます。
美容師試験を受けて、学科試験、実技試験に合格すれば美容師免許が取得できます。

美容師免許は一度取得すれば、特別な事情がない限り一生有効です。

管理美容師免許

管理美容師免許は常時2人以上の美容師が働く場合に、美容室を衛生的に管理するために必要な資格です。該当の美容室には管理美容師を置かなければならないと法律で定められています。

管理美容師の資格取得には、以下の条件が必要です。

  • 美容師免許取得後3年間、美容の実務経験があること
  • 各都道府県で実施している講習会を修了していること

美容師の実務経験が3年ある方が、3日間に渡っておこなわれる講習を受けることで取得できます。
管理美容師の講習は年に2回しかおこなわれないため、事前に日程などを調べて準備をしておきましょう。

美容室の開業に必要な手続き・届出

美容室を開業するためには、細かい手続きや、自治体など各所への届け出が必要です。安全な美容室を経営するために、これらの手続きや届け出は必ず忘れずにおこなうようにしましょう。

複数の提出先があり、書類関係も多いため、早めに動いておくと安心です。
ここでは、各所に提出する届け出や手続きについて解説していきます。

税務署に開業届を出す

まずは事業を始めることを知らせるために、管轄の税務署に開業届を提出します。また、開業届を提出する際に、税制上の優遇を受けるために必要な「青色申告承認申請書」や、従業員を雇う場合は「給与支払事務所などの開設届出書」なども必要です。

個人事業主と法人では、提出する書類や期日が違います。それぞれ以下にまとめたので、ぜひ参考にしてください。

個人事業主の場合

個人事業主の場合は、ほとんどの書類は税務署へ提出します。

税務署への提出書類期日(注意点)
開業届出書開業日から1か月以内
青色申告承認申請書開業日から2か月以内
給与支払事務所などの開設届出書事務所を設けた日から1か月以内
※従業員を雇う場合のみ
所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書提出の翌日から適用
※納税地を美容室にしたい場合

上記とは別に、各都道府県が定める日に提出しなければならない「開業開始等申告書」も必要です。この書類は都道府県税事務所へ提出します。

法人の場合

続いて法人の場合も見ていきましょう。こちらもほとんどの書類は税務署へ提出します。

税務署への提出書類期日(注意点)
法人設立届出書設立日から2か月以内
法人税の青色申告の承認申請書原則として事業年度開始日の前日まで
給与支払事務所などの開設届出書事務所を設けた日から1か月以内
※従業員を雇う場合のみ
所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書提出の翌日から適用
※納税地を美容室にしたい場合

法人の場合も同じく、税務署とは別に、各都道府県に「法人設立届出書」を提出する必要があります。場合によっては市区町村にも提出が必要になることもあるため、事前に管轄の自治体に確認しておきましょう。

人を雇う場合は労務関係の届出書が必要

美容室の開業にあたって、人を雇うことになれば、それに係る手続きが必要です。
法人で人を雇う場合、雇用保険は無条件に加入となり、個人事業主の場合は従業員が5名以上で雇用保険への加入義務が生じます。5名未満であれば任意加入です。

雇用に関する書類は年金事務所へ提出します。書類の提出はできる限り早くおこなっておいた方が安心です。
雇用に関して年金事務所へ提出する書類は以下です。

  • 新規適用届出
  • 被保険者資格取得届
  • 被保険者異動届
  • 履歴事項全部証明書又は登記簿謄本(法人)
  • 事業主の世帯全員の住民票(個人事業主)

これらに加えて、以下の書類は労働基準監督へ提出が必要です。

  • 保険関係成立届

保健所に美容室開業届を出す

美容室の開業には保健所の許可が必要です。

保健所への提出書類は開業届の他、複数の書類があります。

  • 開業届
  • 施設の構造設備の概要
  • 施設平面図
  • 美容師免許証(スタッフ全員分)
  • 管理美容師、管理美容師資格認定講習会修了証
  • 健康診断所(美容師のスタッフ全員分)
  • 現在次項全部証明書(法人の場合)

これらの書類の中でも、特に「施設の構造設備の概要」に関しては、衛生面で細かな規定があります。ただし、地域によって規定が異なるため、事前に保健所に確認しておきましょう。

消防署に消防検査申請を出す

美容室開業には、消防署への相談、消防署からの指導・消防検査を受ける必要があります。これらを受けるタイミングは、内装設計前がいいでしょう。

テナントを借りて美容室を開業する場合、多くは改装や修繕が必要になります。その場合、おおむね着工の1週間前までに「防火対象物工事等計画届出書」を提出しましょう。
テナントを借りて改装や修繕を行う場合は、着工の1週間前までに「防火対象物工事等計画届出書」の提出が必要です。

また、テナントへの収容人数が30人以上になる場合は「防災管理者」の設置が義務付けられています。

消防署への提出書類は、美容室の規模や条件によって変わるため、内装設計時点で事前に消防署へ確認しておくと安心です。

美容室開業の流れ

美容室を開業するには事前準備が大切だと冒頭でお伝えしましたが、事前に開業までの流れを知っておくことで、より開業後の不安が少なくなります。

美容室を開業し、経営を続けていくためには、美容師としての技術や経験だけではなく、マーケティング力や経営力が必要です。

ここでは10個のブロックに分けて、美容室開業までの流れをマーケティングの目線も加えながら解説します。

1.市場調査・競合調査をする

まず最初に、美容室を出店したいエリアを決めたら、そのエリアの市場調査と競合調査をおこないましょう。

そのエリアの世帯数や年齢層を調べたり、候補物件の周辺地にある施設や交通の利便性などを調査し、あなたの美容室のターゲット層とマッチするのか調査します。

また、周辺に美容室がないか、美容室があるとすればどのようなコンセプトでどんな客層を取り込んでいるかも調査しておきましょう。

これらの市場調査や競合調査は店舗経営において、非常に重要です。開業後、集客に困ることがないように、しっかりとおこないましょう。

2.美容室のコンセプトやターゲット設定をする

市場調査や競合調査を終えたら、その結果をもとにこれから開業する美容室のコンセプトやターゲット設定をしていきます。

コンセプトやターゲットは自分の理想を追い求めるだけでなく、マーケティングに基づいた設定も必要です。そうでなければ集客につながらず、店舗経営が失敗してしまう原因にもなるでしょう。

コンセプトは「サービスを提供する価値や、理念を分かりやすい言葉にしたもの」を指します。

「誰に」「どのような」価値を提供するのか、これを明確にし、あなたの美容室の「軸」を作りましょう。

さらにこの時点でターゲットを絞っておく必要があります。市場調査と競合調査に基づき、あなたの美容室がターゲットにするべき層を設定しましょう。

3.事業計画を策定する

コンセプトとターゲットが設定できたら、次は事業計画の策定です。

美容室開業に必要な資金、開業後の売上、必要な経費、顧客の収容人数などの予測をおこない、それをもとに事業計画書を作成します。
また、美容室開業の動機、オーナーの経歴、提供するサービスなども記載する必要があります。

事業計画は、今後の美容室経営においての基盤となり、融資を受ける際にも必要になるため、しっかりと作成しておきましょう。

4.店舗用物件を探す

続いて店舗用物件を選定します。市場調査や競合調査をもとに、実際に出店するエリアや物件を決め、事業用物件に強い不動産屋に希望する条件を伝えておきましょう。

条件に合う物件が見つかったら現地調査をおこない、開業可能な物件であるか確認してもらう必要があります。
また、内装業者に設計図や見積書を作成してもらいましょう。この時点から店舗設計について打ち合わせを始めておくと、着工までスムーズに進みます。

5.資金調達をする

ここまで来ると、物件にかかる費用も明確になってきます。この段階で資金調達を進めておきましょう。
自己資金で足りない分は、前述した日本政策金融公庫の融資や、国が出している補助金で資金調達をしていきます。

6.内装・外装工事を始める

資金調達が無事できたら、着工です。内装工事や外装工事を始め、店舗を形作っていきます。

美容室の設計、施工には専門知識が必要な箇所も多いため、打ち合わせに時間がかかる場合が多いです
そのため、店舗用物件が決まった時点から打合せを開始し、計画的に着工まで進めましょう。

7.設備や機器を設置する

店舗が完成したら、施術メニューから、選定した設備や機器を設置しましょう。

美容室に設置する設備や機器は高額なものも多く、最初からあまりに高いものを選んでしまうと資金繰りがうまくいかず失敗してしまうリスクがあります。

資金が足りない場合は、リースやレンタルも検討するとよいでしょう。

8.備品、消耗品を準備する

大型の設備や機器が設置できたら、美容室運営に必要な備品や消耗品を準備しましょう。
シャンプーやカラー剤、パーマ液、鏡などに加え、タオルやラック、レジや待合用の家具なども必要です。

細々としたものですが、これらの備品や消耗品に充てる資金も準備しておきましょう。

9.開業手続きをする

店舗づくりが完了したら、開業手続きを進めます。

前述したように、美容室を開業する場合は開業届だけではなく複数の書類を複数の機関に提出することが必要です。書類の量も多く、従業員がいる場合は手間も増えます。
開業手続きがスムーズに終えられるように事前に準備しておくとよいでしょう。

また、美容室の開業においては、保健所や消防署への書類提出や確認も必要ですが、これらの相談は着工前におこなっておきましょう。

10.集客対策をする

最後に店舗運営において重要な集客対策です。集客は美容室のオープン前からおこなう必要があります。

ホームページの作成や看板、チラシなどが一般的ですが、最初は無料でできるSNSの運用やGoogleビジネスプロフィールへの登録がおすすめです。
SNSが発展してきた現代では、美容室の集客もSNSでできるのです。髪のお悩みに合わせたお役立ち情報を発信したり、美容室の映え写真をインスタに投稿するのもよいでしょう。

また、Googleビジネスプロフィールは地域の人に知ってもらうために有効な施策です。下図のように、検索した時にマップに表示でき、ローカル検索結果が通常の検索結果よりも上に表示されます。

認知度が上がりやすく予約への導線もスムーズに確保できるため、最初の集客対策としておすすめです。

美容室開業の実態とは

美容室は毎年1万件が開業し、8000件が廃業しています。

新しく開業した美容室のうち、50~60%は1年以内に廃業すると言われています。3年以内では90%、10年以内では95%という廃業率の高さです。
※エステサロンやネイルサロンも含めた数字です。

美容室は令和元年時点で25万件以上あります。これだけあればエリア内に美容室が乱立する、ということも珍しくないでしょう。

同じエリアで複数の美容室があると、顧客の取り合いとなり、より立地が良い、価格が安い美容室へ顧客が流れてしまうのが原因として考えられます。

また、小規模な美容室ほど広告費に資金を投入できなかったり、価格で勝負することが難しくなります。
フランチャイズやチェーン店と比べると、資金力の違いで不利になることも原因の一つでしょう。

美容室の開業で失敗しないために重要なポイント

上記で解説した美容室の実態を踏まえた上で、美容室の開業で失敗しないためのポイントを5つお伝えします。
これらのポイントを押さえておくことで、美容室の開業が失敗に終わってしまう可能性を低くすることができます。

市場調査を怠らない

美容室開業に向けて最初におこなう「市場調査」。
美容室の運営において、立地は非常に重要です。店舗を契約してしまったら後戻りはできないため、候補地は慎重に決める必要があります。

そのためには市場調査がものを言うのです。

候補地の世帯数や年齢層を調べたり、候補物件の周辺地にある施設や交通の利便性などを調査し、あなたの美容室のターゲット層とマッチするのか調査します。現在の世帯数だけでなく、近年の人口増加数なども調べておくとよいでしょう。

また、土日に地域住民の行動パターンや動線を調査するのも効果的です。その行動パターンの中に候補地が入っているか、という点から出店地を選定します。

もちろん競合調査もおこなっておきましょう。候補地において、ライバルとなるのはどの店舗なのか、客層や単価なども調査しておくと、差別化がしやすくなります。

店舗物件は慎重に選定する

店舗物件の選定も、市場調査と同じく店舗運営において非常に重要です。

例えば、居抜き物件を紹介され「コストが抑えられるから」と飛びついてしまうのは危険です。居抜き物件は確かに物件費用は抑えられますが、前の店舗がなぜ閉店したのかは知っておく必要があります。
特に経営不振で閉店している場合は、前店舗の評判も調べておくとよいでしょう。評判が悪い店を受け継いでしまうと、評判の悪さまでも引き継がれてしまう可能性があります。

もしくは、立地自体が悪い場合もあるでしょう。そもそも集客困難な立地であれば、美容室を開業しても集客が難しく、経営が失敗してしまう可能性が高いです。

また、店舗へのアクセスのしやすさにも注意を向けてみましょう。
2階、3階の店舗の場合、階段しかないのか、エレベーターがあるのかでリピーターがつくかどうかに差が出ます。
1階の店舗だったとしても、路面に面しているのか、道の奥の方にあるのかでイメージは変わるでしょう。

コンセプトを明確にする

前述しましたが、美容室は全国に25万店舗あります。その中で差別化し、顧客に選んでもらうためには「コンセプト」が重要です。

コンセプトは、美容室の「軸」となるものです。コンセプトを起点にターゲットやサービス内容、メニューが決まるのです。

例えば以下のようなものが美容室のコンセプトとして挙げられます。

  • 髪質改善に特化した美容室
  • 男性専用の美容室
  • アニメキャラと同じカラーができる美容室
  • メルヘンな内装の美容室
  • ベテランしかいない美容室

このように、コンセプト(強み)は、メニュー、ターゲットの性別、内装、働く美容師など、様々な視点から考えることができます。

他店との差別化、そして自店の強みを出し顧客に選んでもらえるようなコンセプトづくりをおこないましょう。

人材採用は慎重におこなう

美容室の経営に失敗しないためには、人材の採用も大切です。美容師は接客業です。
円滑にコミュニケーションを取れない、顧客の気持ちを考えないような人を採用してしまうと、顧客からクレームが来たり、美容室の信頼が落ちてしまいます。

また、採用する人材のキャラクターが美容室のコンセプトに合っているか、というのも重要な判断材料です。
例えば会話を楽しめる美容室で、寡黙な美容師を採用してしまったら、顧客は違和感を感じます。この例は極端ですが、大切なのは美容室のコンセプトをその人が分かってくれているか、理念や向かう方向が同じか、という点で判断することです。

美容室の信頼を保ち、気持ちよく働くために人材採用は慎重におこないましょう。

リピーターを集客する

美容室にとってリピーターは経営を安定させるために不可欠です。となると、新規顧客をリピーターにするための施策をおこなう必要があります。

美容室でリピーターを獲得するためには、技術力の高さはもちろん、心地よい接客やターゲットに合ったブランディングが肝になってくるでしょう。

また、スタンプカードやクーポンなども使いながら、リピーターの獲得に重点を置いて営業しましょう。

まとめ

美容室は年間8000件もの店舗が廃業するほどの激戦です。

せっかく開業した美容室を失敗に追い込まないためには、綿密に事前準備を進めていきましょう。

美容師は、技術力や接客力がもちろん一番大事ではありますが、美容室を開業し経営を続けていくためには必ず必要になるのが、マーケティング力と経営力です。

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